2026年10月17日 · 24'Seven by R.Support
片付けの帰りの電車で、バッグの中の小さな袋が気になっていました。実家の引き出しの奥から出てきた、母の指輪とネックレス。箱も保証書も無く、内側にうっすら文字のような物が見えるだけです。
家に着いて、夕食を済ませて、スマホで「遺品 指輪 売る」と打ってみました。出てくるのは買取のお店の広告ばかりで、読めば読むほど、どこが本当なのか分からなくなります。「これ、売れるのかな。持っていって安く言われても、私には分からないんじゃないか」。その不安だけが残って、袋は机の上に置いたままです。
この記事は、その夜に読む物として書きました。売るかどうかは、まだ決めなくてよいです。「だまされない」ために、先に知っておくと落ち着く事を、順に並べます。
※本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。
結論から。迷いが続くのは、比べる物差しが手元に無いからです。重さと刻印を自分で見て、地金の目安を先に出しておくと、お店の答えを「高いか安いか」で聞けるようになります。その場で決めなくてよく、残す物は残してよい。この2つを決めてから、持っていきます。
調べても気持ちが固まらないのは、知識が足りないからではありません。迷いの元は、だいたい次の3つに分かれます。
目安が無いと、お店で「これくらいです」と言われても、高いのか安いのか判断できません。判断できないから「だまされているかもしれない」と感じます。不安の正体は、金額そのものではなく、比べる相手が無いことです。
母の物だから本物だと思いたい。でも証拠が無い。刻印は小さく、読みにくい。読めたとしても、K18 と 750 が同じ意味だと知らなければ、そこで止まります。
これが一番大きい理由です。「お金に換えるなんて」という気持ちと、「使わないまま引き出しに眠らせるのも」という気持ちが同じ強さで並び、決められないまま袋を引き出しに戻します。
貴金属の買取は、石やデザインを別にすると、重さ × 1g あたりの値段で地金の金額が決まります。1g の値段は品位(K18・K24・Pt900 など)ごとに公表されていて、日々変わります。だから当日の値を見て、重さを掛ければ、自分でも目安が出せます。
重さは、料理用のはかりでは粗すぎることが多く、0.01g の単位で量れる物があると、小さなネックレスでも目安が出ます。刻印は指輪の内側、ネックレスは留め具の近くの小さな板にあります。
品位と重さが分かったら、地金の目安を自分で出しておきます。重さと品位を入れるだけで、当日の 1g の値段から計算します。石・ブランド・デザインの分は入りません。登録は要りません。
金の目安を計算する(無料)→目安を持っていくと、お店の金額は「高いか安いか」で聞けます。手数料が引かれているのか、石の分はどう見たのか、質問が具体的になります。答えを聞いて、持ち帰ってもよいです。査定だけで帰ることは、できます。2つ目のお店で同じ質問をすれば、比べられます。査定の料金やキャンセルの条件だけは、持っていく前に確かめておきます。
形見の迷いは、お店のカウンターでは解けません。家で、1点ずつ手に取って「残す」「手放す」「まだ決めない」の3つに分けます。母がいつも着けていた1本は残す。箱の底にあった、見覚えの無いチェーンは手放す。そう分けるだけで、持っていく袋の中身は「手放してよい物」だけになり、カウンターで揺れずに済みます。
メモは紙でもスマホでもよいです。大事なのは、お店に入る前に、自分の数字を持っていることです。
家に来てもらう形(訪問購入)は、特定商取引法で、契約の書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができます。この期間は、品物の引き渡しを断ることもできます。店頭に持ち込む形と宅配の形は、この決まりの対象ではありません。
古物営業法により、お店は売る人の本人確認をします。運転免許証やマイナンバーカードなどの身分証を持っていきます。どのお店でも同じです。
店頭・出張・宅配のどれにするかは、目安を出してから決めます。3つの形の違いと、確かめておく点は、こちらにまとめています。
買取の形を比べて、納得して選ぶ店頭・出張・宅配の違いと、確かめておく点重さと刻印は、自分で見られます。道具が2つあると、夜のうちに済みます。
0.01g の単位のはかり(PR)。0.01g から 500g まで量れ、電池込みで千円台の物です。指輪1つ、細いチェーン1本でも、目安に使える重さが出ます。
0.01g のはかりを見る(楽天)→刻印を読むルーペ(PR)。指輪の内側の小さな文字は、肉眼では読みにくい物です。ルーペがあれば、K18 の後ろに GP が付いているかまで確かめられます。
刻印を読むルーペを見る(楽天)→Q. 遺品の指輪やネックレスは、売る前に何を見ておくとよいですか。
重さと刻印の2つです。刻印は指輪の内側、ネックレスは留め具の近くの小さな板にあり、K18・750・K24・Pt900 などが品位を表します。地金の金額は、重さ × 品位ごとの 1g あたりの値段で決まり、1g の値段は日々変わるため、持っていく当日の値を見て目安を出しておきます。石やデザインの分は、この目安には入りません。
Q. 査定だけして、売らずに帰ってもよいですか。
よいです。提示された金額を聞いて持ち帰り、家で目安と見比べたり、別のお店で同じ質問をしたりして比べられます。その場で決める理由はありません。査定の料金やキャンセルの条件は、お店によって違うため、持っていく前に確かめておきます。
Q. 出張買取で売った後に、取り消せますか。
家に来てもらう形(訪問購入)は、特定商取引法で、契約の書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができます。この期間は品物の引き渡しを断ることもできます。店頭に持ち込む形と宅配の形は、この決まりの対象ではないため、売る前に目安と比べて決めます。
Q. 形見を売ることに気が引けます。どう考えればよいですか。
全部を売る必要はありません。家で1点ずつ手に取り、残す・手放す・まだ決めない、の3つに分けます。母がいつも着けていた1本は残し、見覚えの無い物だけを持っていく、という分け方でよいです。分けてから持っていくと、お店のカウンターで迷わずに済みます。
袋を机の上に置いたままの夜に、できることは3つです。残す物を分ける、刻印と重さをメモする、当日の 1g の値段で目安を出す。それだけで、お店の答えは「分からない数字」から「比べられる数字」に変わります。